昨日(29日)19:00開演、 燐光群公演 作:つかこうへい 上演台本・演出:坂手洋二「熱海殺人事件vs売春捜査官」(下北沢ザ・スズナリ)を観た。
燐光群は注目している劇団の一つで先行予約登録をしているので一番前の席を取ることができた。それにしても久しぶりに下北へ行ったら、駅がすっかり変わっていて、適当に出口を出たら、見知らぬ光景で、行きなれたザ・スズナリだもの、適当に歩き始めたら、すっかり道に迷ってしまって、仕方なくスマホで調べて、やっとたどり着いた。
さて、芝居だが、坂手洋二さんが芝居の道にのめりこんでいくきっかけは、つかこうへいの熱海殺人事件だそうで、そのリスペクト感をモチーフに熱殺とその発展系の売春捜査官を合体させて、その形を借りながら坂手さんの問題意識をぶち込むといった構成の芝居である。私も何度も書いているように1975年以来の大つかファンであるので、坂手さんの気持ちに共感し、つい観てしまった。
出だしは、熱殺の出だし通りに入っていくのだが、ちょっと違和感がある。燐光群の役者さんたちは硬派のいかつい良さの方々で、見慣れてきた三浦洋一や風間杜夫のような色気や艶の良さとはちょっと違うのだ。これが燐光群の熱殺なのだと思って観ていくと、売春捜査官の女伝兵衛(木下智恵)が絡んできて、ぐっとつか芝居らしくなっていく。金太郎(円城寺あや)を女優が演じるのも珍しい。
芝居の後半は坂手芝居である。熱海海岸は沖縄・辺野古浜海岸に成り代わり、金太郎とあい子は辺野古基地拡張反対運動の中で出会う。硬派な坂手芝居の様相を呈していく。それはそれでいいのだが、なんだか熱殺の名に惹かれて観に来たことを反省することになった。
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